以前、お散歩がてら訪れた《シャトー・オー・ブリオン(Château Haut-Brion)》。その時は畑をブラブラさせてもらっただけだったのですが、やっとちゃんと訪問することができました。(そのときの記事はこちら)
シャトー・オー・ブリオンはボルドーの5大シャトーのひとつ。第一級のシャトーの中では一番歴史が古く、唯一メドック地区以外のペサック・グラーヴに位置しています。
約束の時間は11時。天気予報では曇りでしたが、とっても良い天気。新緑が綺麗な畑を眺めながら、いよいよ建物へ向かいます。
ブドウの赤ちゃんのような房から後2週間ほどで花が咲くそうです。
入った瞬間から歴史を感じる佇まいです。
とっても素敵な女性が案内をしてくださいます。他に誰もいないようなので、今日は2人だけなんですか?と質問すると、「ウィ!プライベートツアーよ」 とのこと。なんて贅沢な❗
まずは、2階にあるシアターでシャトーの歴史などの映像を見ます。これっていくつかのシャトーで体験したことがあるんですが、こちらはシアターも豪華。小さなシアターに真っ赤な緞帳があり、そこが開くとちょっとした映画館のようなスクリーンが・・・。
初代オーナーのポンタック家が1550年からワイン作りを始め、1666年にはロンドンにオー・ブリオンを出す居酒屋も開き、一気に大人気になったそう。
現在のオーナーは1935年にここを買い取った、アメリカ人銀行家ディロン家です。その3代目である現在のオーナーは、ルクセンブルグルク大公国公子のロベール・ド・リュクサンブールなんだとか。ワインってかかわっている人達も豪華です。
映像もとっても芸術的❗もうこれだけで、優雅な気持ちになりました。
そのあとはブドウ畑や、ワインの製造についての説明を聞きました。
特筆すべきは、シャトー内で樽も作っていること。ボルドーではこちらを含め、5大シャトーの4つのみが樽の工房を持っているそう。
この週はフランスでは飛び石連休のせいか、樽の職人さんはお休みでした。樽のメーカーから派遣され、こちらでたった一人でオー・ブリオン用に作っているそう。一人で作るので同じクオリティーの樽が出来上がるんだそうです。ここで作る樽が全体の80%くらいを占めるそうです。
樽はオーク材のチップを使い内部を焼いて形を作っていきますが、この焼き加減で香りが違ってくるそうです。
こちらがその樽が並ぶ熟成庫です。全て2017年のワインで新樽に入っています。次の年のワインはまた新しい樽に入れ、前の年の樽はコニャックを作る業者などに卸しているそう。
端に1列だけ白ワインの樽がありました。オー・ブリオンは白ワインも作っています。生産量が極端に少なく、赤より価格が跳ね上がるそう。
お庭では何人もの庭師の方が作業していました。ちょうどバラが咲き始めたところでした。
最後は試飲室に案内されました。
いただいたのは、赤のセカンドワイン(ル・クラランス・ド・オー・ブリオン 2011年)です。
タンニンが強くない、まろやかなワインです。お高いファーストワインは長い熟成期間を経て飲んだ方がより美味しいので、このくらいの年のものはまだまだ飲み頃ではないそうです。
とは言っても今が飲み頃の歴史あるワインなんて、高すぎて私達には手を出せません💦
とても良い時間を過ごせて大満足でした。最後には日本語で書かれた立派な冊子までいただいちゃいました。
なんと見学は無料でした。貴重なお時間をありがとうございました。(試飲で新しく開けてくれたワインの行方が気になる小市民の私達でした🍷)